非常持ち出し袋に入れるべき防災グッズのリストと注意すべきこと

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非常持ち出し袋を用意しておこう

「非常持ち出し袋」は、大地震などの災害が起こって家から避難するときに持ちだすものです。

大災害が発生すると、建物が倒壊するなどして過酷な状況になることが考えられます。
どんなにひどい状況でも、安全を確保して生き抜くことができるように、非常持ち出し袋を用意しておきましょう。

非常持ち出し袋一式

 

非常持ち出し袋に使うバッグ

非常持ち出し袋には、リュックサックを使うのが一般的です。

なぜリュックサックなのかというと、両手がふさがらず、動きやすいためです。

大地震が起こった後、がれきが散乱したような危険な状況の中で歩いたり、時には危機から逃れるために走ったりするかもしれません。

バッグは、大きさだけでなく動きやすさや疲れにくさを考えて選ぶと良いでしょう。

 

非常持ち出し袋に入れる防災グッズのリスト

非常持ち出し袋に入れる防災グッズのリストの一例です。

食料、水のような、生きるための必需品のほか、生き抜くための装備、貴重品を入れておきます。

  • 飲料水
  • 食料(乾パン、缶詰、菓子類など)
  • 懐中電灯
  • ヘルメット・防災頭巾
  • マスク
  • 軍手
  • タオル
  • 衣類
  • 雨具
  • 携帯ラジオ
  • 電池
  • 携帯電話の充電器
  • 簡易トイレ
  • 紙皿など簡易的な食器
  • ラップフィルム(食器をラップで覆って使えば洗わずに何度も利用できます)
  • 救急用品(絆創膏、消毒液、包帯、ピンセットなど)
  • 洗面用具
  • ティッシュペーパー
  • ウェットティッシュ
  • 油性ペン
  • ガムテープ
  • 毛布
  • 缶切り
  • ナイフ
  • ロープ
  • ライター・マッチ
  • 現金(お札だけでなく電話ボックスで電話できるように10円玉を入れておく)
  • 貴重品

 

その他、非常持ち出し袋に入れておくもの

非常持ち出し袋は、リストにあがっているグッズを入れればそれで完成、というものではなく、自分や家族にとっての本当の必需品は何かを考え、それも入れることが大切です。

例えば、乳児がいる家庭ではミルクや紙おむつなどが必要になるでしょう。

その他、メガネ、持病の薬、生理用品など、家族の各個人にとって「これがないと困る」、というものを入れる必要があります。

薬

 

気を付けるべきこと

できるだけ軽くする

非常持ち出し袋は緊急時に使う物です。

バッグが重すぎて避難行動に支障が出てしまっては命にかかわります。
必要なものは入れつつも、できるだけ軽くすることが大切です。

水や缶詰など重い物をたくさん詰め込みすぎて、そのために自分の身を危険にさらすようでは、非常持ち出し袋として本末転倒になってしまいます。

バッグの重さの目安としては、成人男性の場合は約15kg、成人女性で約10kgまでに抑えるのが良いと言われていますが、体格や体力には個人差があるため、これは一概には言えません。

実際にバッグを背負ってみて、「これを背負いながら走ったり長時間歩いたりできるだろうか?」と考えてバッグの中身を調整しましょう。

 

非常持ち出し袋を置く場所

非常持ち出し袋を用意したとしても、いざというときに持ちだせなければ全く意味がありません。

すばやく確実に取り出せる場所に置きましょう。

例えば、こんなことがあるかもしれません。

  • 袋が地震で崩れてきた物に埋もれてしまい、持ち出せなかった
  • 押し入れに入れておいたが、地震で家が歪んで戸が開かず、取り出せなかった
  • 停電して真っ暗になり、袋がどこにあるのかわからなくなった

バッグを置いている場所が災害時にどうなるのかをイメージしてみて、置き場所に問題がないか検討しましょう。

 

候補となる場所は、

  • 玄関の近く
  • 寝室
  • 車に積んでおく
  • 物置

などです。いざというとき、自分や家族がどう行動するのかシミュレーションして最適な置き場所を考えましょう。

 

セットになった非常持ち出し袋もある

バッグと防災グッズが一式のセットになっている非常持ち出し袋も販売されています。

例えば、以下のようなネットショップで購入できます。

防災士厳選の防災グッズ39点セット【ディフェンドフューチャー】

防災セットメーカーLA・PITA直営サイト【アットレスキュー】

 

こういったセット品はそこそこの価格がしますが、それなりのメリットもあります。

 

必要な物のほとんどが一度にそろう

一つ一つそろえるのは手間も時間もかかりますが、セット品であれば非常にお手軽に用意することができます。

 

軽く、かさばらないように工夫して作られている

バッグや中に入っている防災グッズが、極力、軽く、コンパクトになるよう作られています。

例えば、

  • 懐中電灯にラジオ、携帯の充電器の機能も組み込まれていて一台で済む
  • 毛布ではなくアルミブランケットを使うことでコンパクトに収納できる

といった工夫がされているものが多いです。

 

賞味期限が長い食料、飲料水が入っている

賞味期限が短い食料だと、たびたび入れ替えなければなりませんが、こういったセット品には、賞味期限がだいたい5年ぐらいの食料、飲料水が入っていますから、かなりの長期間、そのまま使うことができます。

 

オシャレなデザインの非常持ち出し袋もある

非常持ち出し袋の中にはオシャレなデザインのものもあります。

防災用品がオシャレである必要はないと感じるかもしれませんが、意外とそうでもありません。

非常持ち出し袋は、玄関に配置するなどして、そのまますぐに持ち出せるようになっているのがベストですが、
「玄関にバッグをそのまま置いておくのは見栄えが悪くなりそうでちょっと・・」
とインテリアへの影響が気になる方も多いと思います。

その点、バッグのデザインが良ければ、そのまま玄関置いておいても見栄えが悪くなりにくいという利点があります。

 

非常時のシーンを想定して検証してみよう

非常持ち出し袋に入れたものが「実際にどんなケースで使われるのか」、「他に入れるべきものはないか」、起こりうるシーンを想定して確かめてみましょう。

試しに、この2つの想定シーンをイメージしてみてください。

あなたの用意した非常持ち出し袋はどう役立つでしょうか?また、これも入れておくべき、というものが見つかるでしょうか?

<想定シーン(1)>

夜中に大地震が発生し、パジャマのまま家の外に避難。
携帯と非常持ち出し袋だけはなんとか持ち出すことができた。

自宅はギシギシと音を立てていて倒壊の恐れがあるため、家の中には入れない。

雨が降っており、さらに、停電しているのであたりは真っ暗な状況。

 

避難所となっている体育館まで歩いて避難する。
体育館までの道のりは、がれきが散乱していて、崩れかけた建物の間を通らなければならない。

体育館で1~2日過ごす。

崩れかかった街

 

<想定シーン(2)>

大地震が発生し、自宅が半壊。

非常持ち出し袋を持ち出し、なんとか助かったが、近所の家から助けを求める声が聞こえる。

家のドアが開かず、閉じ込められてしまった模様。急いで助けなければならない。

 

上記のシーンの他にも、自分の住んでいる地域で地震、洪水、津波などの大災害が起こったらどうなるのか、実際に起こりうるシーンを想定してみてください。

そのうえで、リストに書かれたグッズがなぜ必要なのか、どう役立つのか、他に入れるべきものはないか、考えてみることがとても有用です。

 


 

地震、特に、南海トラフ地震は、「いつか必ず起こるもの」ととらえるべきものです。

非常持ち出し袋を適切に準備しておくことで、いつか起こる「そのとき」に、自分や家族の命が助かるかもしれません。また、まわりの誰かを助けられるかもしれないのです。

もし、まだ用意できていないようであれば、「そのうち用意しよう」と思っているだけではなく、今日から、ひとまず今用意できるものから準備しましょう。

 

 

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